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CT検査は身体を通過したX線量を測定してコンピューターで処理し、任意断面の画像を得る検査です。さらに「造影剤」という検査薬を投与して撮影を行う場合があります。この造影剤を使用して施行する検査のことを「造影CT検査」といいます。造影剤を使用することで、一般に病気の部分や血管をより鮮明に描出できます。このため、脳血管造影、胸・腹部大動脈造影や肝臓がん診断などには欠かせない検査です。
造影剤には血管内に注射するものと、内服するものとがありますが、ここでは注射して使用する造影剤について説明します。造影剤を使うと次のような副作用・合併症が起こる事があります。
当院ではこれらに対応できる緊急体制を整備しているのはもちろんのこと、最新型造影剤注入器 AutoEnhance A-800(根本杏林堂)を導入し、造影剤漏えい対策も万全です。
超音波造影剤(ソナゾイド)は微小気泡からなり、超音波が照射されると崩壊や共振が起こり送信周波数の整数倍の高調波成分を含む散乱波を生じます。送信周波数の2倍のセカンドハーモニックを主体とした高調波を選択的に受信して映像化することで鮮明な血流画像を得ことを可能とします。
造影剤静注後、約10~15秒後に肝動脈・肝内門脈の染影(血管イメージング)を認めます。この際の染影パターンによって肝腫瘤の鑑別診断が可能となります。
血管イメージングより遅れてソナゾイドはクッパー細胞に取込まれ血流による肝実質の染影が強くなり、やがて肝臓全体が染影(クッパーイメージング)されます。クッパー細胞のない転移病巣や中・低分化肝細胞癌などは染影のない欠損像として描出されます。
ソナゾイト使用による副作用の出現頻度は、CTで使用されるヨード系造影剤に比べて少なく、安全な造影剤と言われており、造影超音波検査は肝腫瘤の鑑別診断・治療後評価において有用な方法と言えます。一方で、血管イメージングでは肝全体の観察ができないこと、高分化肝細胞癌では必ずしもクッパーイメージングで欠損像を呈さないことより、肝細胞癌スクリーニングとしては不十分な一面もあります。したがって、造影超音波検査・造影CT検査(ダイナミックCT)を適宜選択しながら診療を進めていくことが望ましいと考えられます。
運動負荷試験とは体を動かした時だけ異常が現れる心臓病の診断に使われるもので、体に心電図の電極をつけた状態で体を動かし、運動時の心電図をみるものです。これは体を動かした時だけ胸痛発作が起きる労作性狭心症の診断に有効です。
運動負荷試験は胸痛などの自覚症状や血圧低下などが見られるまで継続して行われるため、患者にとっては負担となります。そのため、急変に対処できるよう万全の準備がされ、専門医の立会いのもとで行われます。運動負荷試験には踏み台や固定式自転車、トレッドミルなどがあります。
大腸ポリープは、大腸内壁にできた腫瘍の総称です。大腸ポリープには、そのまま放置しておいても大丈夫な良性のものや、癌化するものなどいくつかの種類があります。ポリープは直径5mm以上になると腺腫性であることが多く癌化の危険性があるため、治療をするのが一般的です。大きなポリープでなければ日帰り手術で内視鏡的切除することができます。
内視鏡的切除は内視鏡の先端から出したワイヤー状の電気メスでしばって切除します。切除可能なポリープの数は概ね5個以内、大きさは1.5cm以下をめどにします。大きなポリープの場合は切除の際に入院が必要となりますので連携専門病院に紹介させて頂きます。
ポリープを切除すると、出血や穿孔といった合併症を予防するために、遠くに行くこと、重いものを持つなど腹圧のかかること、運動、飲酒などが1週間ほど禁止になります。
抗凝固剤・抗血小板剤等を使用している方は、約1週間前から内服を中止しなければなりません。また、切除後も約1週間の服薬中止が必要になります。薬剤中止によって脳梗塞や心臓へのリスクが高くなると判断される場合は全身管理が出来る病院での切除が必要ですので、連携専門病院に紹介させて頂きます。
CTコロノグラフィー(CTC)とは、肛門から大腸・直腸内へ炭酸ガスを注入したうえで腹部のCT撮影を行い、画像処理を行って実際の内視鏡でのぞいているように画像を再構成する方法です。平成24年から保険適応となりました。腸で吸収されやすい炭酸ガスを一定圧のもとに自動注入する装置(プロトCO2L:エーディア)を使用することで、安定した大腸の拡張と大幅な患者さんの負担軽減につながります。
造影剤のバリウムと空気を大腸に注入して撮影する注腸エックス線検査では、バリウムを排出するのに気を使い、かつ腹部膨満・腹痛を伴いますが、CTCはそれがなくて済みます。また、内視鏡検査は挿入による違和感や痛みが伴ったり、まれに腸壁を傷つけたりすることもありますが、CTCは短時間で苦痛が少なく安全に検査が受けられます。